「素人が1日20万稼ぐ法」「画期的な即金ノウハウ」——。そんなうたい文句の広告がインターネット上で増殖中だ。
こうした情報商材の年間売り上げは総額200億円と推測されるが、「詐欺まがいの内容」との苦情も急増。多くの販売者が購入者に「あなたのブログに広告を張り付けて。売れたら報酬を払います」と持ちかけているのが特徴で、損をした人が元を取り戻そうと誇大広告をばらまき、別の人がまた損をするという構図になっている。「負の連鎖」の広がりに、「まるでネットのネズミ講」との声も出ている。
神奈川県内の会社員女性(43)が、ネット上で「在宅で簡単安定収入」というキャッチコピーの商材を見つけたのは今年4月。体調を崩して長期休職中で、ローン返済に困っていた。
「初心者の私でも月収98万」「これで借金生活から脱出できました」。そんな成功体験談に心が揺れ、約1万円をクレジットカードで決済し、ファイルをダウンロードした。
開いてみると、中身は「広告メールをクリックしてポイントを集め換金する」という内容。指示に従い、1か月間毎日大量にクリックし続けたが、換金できたのはたった80円だった。
それ以来、女性の元には同じような情報商材の広告メールが、1日1000通以上送られてくるようになり、結局、約30種類(計約60万円)の商材を購入。
しかし、ふたを開けると、「消費者金融で金を借りまくって自己破産する」「出会い系サイトのサクラをする」「売春の元締になる」など、実行に移せる内容はなく、「結局、借金が膨らんだだけだった」と女性は肩を落とす。
経済産業省によると、情報商材を巡る相談は昨年から急増。宣伝が虚偽であれば、消費者契約法に基づいて返金請求できるが、販売元の住所が架空で連絡が取れないことも多いという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080705-OYT1T00019.htm?from=navr