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2008年07月04日(金) 10時00分

アデランス 何があった?米スティールに全面降伏日刊ゲンダイ

 外資系ファンド、スティールとの対決はアデランスの全面降伏——。
 6月30日、かつら大手のアデランスホールディングスは都内で緊急記者会見し、岡本孝善社長(58)が辞任、創業者2人も取締役から退任する人事を発表した。
 新社長には子会社社長の早川清氏(60)を起用。新役員の9人はアデランスから4人、スティールから5人が選任され、スティール主導が鮮明になった。
 辞任する岡本孝善社長は一昨年来、スティールとことごとく対立。今年5月の株主総会では再任を否決された人物だ。さぞや無念と思いきや、「(今回の選択肢が)最善の道と判断した」とケロッとしていた。
 さらに、「スティールの投資先にとって、ウチの例が良い事例となるといい」という信じられないコメントも。これには、記者から「他の会社の社長も退くべきという意味か」とツッコミが入ったほどだった。
 スティールは昨年、ブルドックソースへのTOBで東京高裁から「濫用的買収者」と烙印を押されたファンドだ。それなのに、ここまでスティールにおもねる発言は「両社の間で何かあるのか」と疑われかねない。外資系証券幹部がこう言う。
「経営陣や創業者が退く代わりに、代替ポストをつくったり、資産を保全するなど何らかの取引をするケースはあります。今回がそうとは思いませんが、つまらぬ誤解を招かぬよう注意が必要です」
 アデランスは冷徹な外資の理論によって今後、これまで以上のリストラを余儀なくされる懸念がある。トバッチリを食う社員が気の毒だ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080704-00000017-gen-ent