投資会社ワールドオーシャンファーム(東京、破産手続き中)のエビ養殖投資詐欺事件で同社が集めたとされる約八百四十九億円のうち、約七百四十四億円は出資者に還元されていたことが三日、警視庁などの合同捜査本部の調べで分かった。
同本部は、残る百億円を超える投資金の使途解明を急ぐ。同本部は三日までに、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で、新たに東京都大田区東馬込一丁目、法対部長
同社がエビ養殖事業とともに「リスクがなく高収入」として投資名目にしていた不動産事業も実体がなく、所有不動産はマンションの一室だけだったことが判明。同本部は会長の
また同社が出資者への配当停止直前、期間限定キャンペーンと称して集中的に投資金を集めていたことも分かった。
同本部によると、出資者と同社は匿名組合契約を結んだ上で投資するシステム。新たな出資者を紹介すると手数料が支払われる仕組みもあった。約七百四十四億円のうち約三百十五億円は手数料や配当、約四百二十九億円は元金として出資者に支払われていた。
関係者によると、同社は二〇〇六年十二月から〇七年一月にかけて、通常の手数料に投資額の3%を上乗せして支払うキャンペーンを実施。手数料は一月二十四日に一括して支払うとした。
しかし同社はすべての出資者の募集を〇七年一月十日で締め切り、配当や手数料は七月に一括して支払うと一方的に通知。その後同社は破たんし同年七月になっても支払われなかった。