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2008年07月03日(木) 02時33分

<ウナギ偽装>「神港」社長ら聴取へ…組織ぐるみ解明毎日新聞

 中国産ウナギの偽装問題で、兵庫、徳島両県警の合同捜査本部は、水産物卸売会社「神港魚類」(神戸市)の大堀隆社長(65)や輸入ウナギ販売会社「魚秀」の親会社「徳島魚市場」(徳島市)の吉本隆一社長(65)らから近く、参考人聴取する方針を固めた。神港魚類と徳島魚市場は会社ぐるみでの関与を否定しているが、関与の有無を調べるためにトップに事情を聴く必要があると判断した。

 農林水産省の調査などによると、魚秀は今年3〜4月、架空会社名義で「愛知県三河一色産」と偽装したウナギ256トンを約7億7000万円で神港魚類に出荷。東京の商社2社が介在したと装い、魚秀は2社への「手数料」や神港魚類の担当課長に渡した1000万円などを差し引いた代金を受け取った。

 関係者によると、ウナギは、魚秀の非常勤役員を務める高知県南国市の水産物会社役員が、高松市の水産卸販売会社の元専務に依頼し、同市の冷蔵倉庫内で中国産から愛知県三河一色産の段ボール箱に詰め替えられた。

 偽装は農水省の立ち入り検査で発覚。魚秀の中谷彰宏社長(44)は偽装を認めたが、神港魚類の担当課長(40)は合同捜査本部の任意の事情聴取に関与を否定。徳島魚市場も「ウナギ取引は中谷社長に一任していた。偽装については一切知らなかった」としている。

 合同捜査本部は3日、魚秀や神港魚類など7都府県の関係先25カ所を不正競争防止法違反(虚偽表示)容疑で家宅捜索し、高松市の倉庫を検証。魚秀の中谷社長や神港魚類の課長ら関係者の立件も視野に、偽装の全容解明を進める。

 大堀社長はマルハグループ本社常務などを経て神港魚類社長に就任。横浜ベイスターズの球団社長も務めた。

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