2008年07月02日(水) 22時35分
川崎医大副学長、推薦入試前に受験生の母と面会 元衆院議員が同席(産経新聞)
川崎医科大学(岡山県倉敷市)で平成18年9月、川崎誠治副学長が推薦入学試験の実施前に、受験生の母親と大学内で面会していたことが2日、わかった。文部科学省では、大学関係者が合格発表前に受験生の保護者と接触することを禁じている。面会を仲介した医科歯科系大学受験専門予備校(大阪市北区)の教務責任者(55)らは、母親に対し4500万円を振り込ませていたが、受験生は不合格だった。
関係者などによると、教務責任者は18年7月、この予備校に通っていた受験生の母親からの依頼で、大学関係者との事前面会を設定するため、2回に分けて計4500万円を振り込ませた。
母親は同年9月、川崎副学長と大学内で面会。母親が「息子が受験するのでよろしくお願いします」と依頼し、川崎副学長は「受験番号を教えてください」と答えたという。面会には、関連校の川崎医療福祉大学で客員教授を務めていた長野祐也・元衆院議員も同席。長野元議員は仲介人から200万円を受け取ったという。
この受験生は同年11月の推薦入試で不合格となり、教務責任者はその後、1000万円を返却した。教務責任者によると、残り3500万円は別の仲介人に渡しており、この仲介人は「他の3つの大学で事前面会を設定するために使った」と話しているという。
教務担当者は「良くない行為だったと反省しているが、一部の医学系私立大学では“寄付金”が推薦の選考基準の一つになっているのは事実だ」と語っている。また、長野氏は元秘書を通じて受け取った200万を返したと説明、副学長らの要請で客員教授を先月辞職した。
川崎医科大は「受験番号は合否を伝えるために聞いただけだが、副学長が入試の前に特定の保護者と面会したことは、疑念を招く行為で慎むべきだった」とし、文科省は「大学からすでに報告を受けており、口頭で注意した」としている。
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