2008年07月02日(水) 17時02分
振り込め詐欺:府内で倍増、被害4億円 「還付金詐欺」の激増影響 /大阪(毎日新聞)
◇過去最悪のペース
府内で振り込め詐欺の発生数が昨年から倍増していることが分かった。過去最悪ペースで進行し、被害総額は6月末で約4億円。振り込め詐欺の“変形型”の「金がもらえる」という還付金詐欺が急増しているためで、被害者の多くは中高年女性。現金自動受払機(ATM)を本人に操作させてだまし取る手口だ。
府警によると、今年1〜5月、振り込め詐欺の発生252件(昨年同期132件)、被害額2億3296万円(同1億3242万円)でほぼ倍増。被害額ベースで過去最悪の05年通年は4億1000万円だったが、今年6月末で既に3億9000万円だ。
警察庁によると、全国でも振り込め詐欺の5月までの被害総額は昨年比1・63倍の約137億円。被害を押し上げた要因は、同4・69倍の約30億円に達した還付金詐欺の横行とみられる。
府内でも、還付金詐欺は84件(被害総額8547万円)に上り、昨年同期の6件から14倍。特に4月以降ペースが加速している。
犯人グループは、電話で社会保険事務所や税務署、自治体職員をかたり、医療費や年金などの還付を持ちかける。銀行などのATMに誘い出し、操作を指示。被害者はそれに従うと、金が返還されるどころか知らないうちに振り込んでしまう。
大阪の振り込め詐欺被害はかつて全国件数のわずか1%台。「大阪のおばちゃん」が被害防止を訴えるCMが作られ、だまされないイメージも定着したが、還付金詐欺は全国と同じく増加する。
6月30日に対策本部を設置した府警は、他府県警と連携して犯人グループの検挙を目指す。また、銀行などと協力し、ATMで不審な入金をしている人を見かけたら声をかけ、水際の被害防止に努める。【田辺一城、山口朋辰】
7月2日朝刊
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