2008年07月02日(水) 11時46分
<モンゴル暴動>首都に非常事態宣言 4人死亡400人負傷(毎日新聞)
【北京・浦松丈二】6月29日投票のモンゴル国民大会議(国会)総選挙をめぐる野党支持者の暴動で、治安部隊との衝突により、デモ参加者4人が死亡、400人近くが負傷した。エンフバヤル大統領は2日午前0時(日本時間同1時)からウランバートルに4日間の非常事態を宣言。治安部隊に武力鎮圧を許可した。一夜明けた2日朝も与党・人民革命党本部がある中心部には治安部隊が配置され、緊張が続いている。
日本大使館などによると、フジテレビ通信員として現場で取材していた二本木忍さん(39)が投石で後頭部に頭蓋骨(ずがいこつ)骨折の重傷を負った。二本木さんは2日、手術のため飛行機で日本に移送された。
非常事態宣言を受け、政府系のモンゴル国営テレビ以外の民間放送局は放送停止になった。午後10時から午前8時まで市民の夜間外出も禁止された。AP通信によると、ムンフオリギル法務・内務相は「警察は略奪をする犯罪者に対して必要な武力を使用する」と述べ、武力鎮圧の方針を明らかにした。
総選挙では、1日までの暫定開票で人民革命党(改選前議席39)が46議席と民主党(同23)の27議席を大きく引き離し、バヤル首相が「過半数は確実」と勝利宣言を行った。
しかし、野党支持者らは1日夜、選挙管理委員会の事務所に詰めかけ、人民革命党候補が議席を確保したウランバートルの2選挙区の開票で不正が行われたと主張。選管職員の辞任や全選挙区での再集計を要求した。
選挙戦では、最近発見された大規模な銅、金、石炭鉱山の開発をめぐって、政府の権益を主張する人民革命党と開発企業の利益を優先する民主党が争っていた。
モンゴルでは4年前の総選挙でも選挙違反が問題になり、一部の選挙区で投票のやり直しが行われるなどの混乱が生じた。
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