2008年06月30日(月) 02時33分
<ウナギ偽装>「神港魚類」課長、1月中旬に購入計画(毎日新聞)
中国産ウナギの偽装問題で、神戸市の水産物卸売会社「神港魚類」の担当課長(40)が今年1月中旬、問題のウナギ購入を上司に相談していたことが分かった。ウナギ輸入販売会社「魚秀」の中谷彰宏社長(44)は偽装の動機について、「中国ギョーザの農薬混入などで売れなくなった中国産ウナギの在庫処理だった」と説明しているが、ギョーザ問題が発覚したのは1月30日で、その前から計画していたことが明らかになった。
神港魚類によると、担当課長は1月中旬、問題のウナギの購入について「今年は国産ウナギが高騰するはず。魚秀が紹介する商社から国産ウナギを買える。1〜3月は相場が低調だから、この時期に買うべきだ」と上司の担当役員に相談した。
役員が「話を進めて」と答えたため、課長は起案書を1月25日〜月末の間に渡した。役員は手直しして、2月上旬に起案書を役員会に提出、了承された。課長は数量や金額、ウナギが愛知県産であることなどを記した稟議(りんぎ)書も作成、担当役員の承認を得たという。
神港魚類は3〜4月に、愛知県三河一色産と偽装されたウナギ256トン(約204万匹)を仕入れ、ウナギは段ボール箱に入ったまま同社の子会社の冷凍会社に運び込まれたが、同社は出荷元の記録や出荷場所を記録せず、送り状なども保管しなかった。同社はこうした経緯について、「取引先については、普段から流通経路を確認していない。現物確認のみで、どこから、ということは確認していない」としている。
一方、ギョーザ問題は、中国産ギョーザを食べた千葉県市川市、千葉市、兵庫県高砂市の3家族が下痢などの薬物中毒症状を訴えたことから1月30日に表面化。また、魚秀については、今年1〜6月に中国産ウナギ350トンを親会社から仕入れたことが既に判明。偽装は「在庫処分」が目的ではなく、利ざや稼ぎのためだった可能性が出ている。
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