2008年06月28日(土) 15時53分
人生ゲーム40周年 人気衰えず シンプル、時代読むコピー…6代目登場(産経新聞)
「人生、山あり谷あり…」という懐かしいCMでも知られたタカラトミーの人気ボードゲーム「人生ゲーム」が今年、発売40周年を迎え、11年ぶりのリニューアルとなる6代目「人生ゲーム」(3780円)が発売された。専門家が高く評価するシンプルさの一方で、時代を読んだコピーを常につくり、子供たちに人生の厳しさ(?)や流行を教え続けてきた。
もとのゲーム盤に上から別のゲーム盤を重ねて「2倍」遊べる−構成は5代目(平成9年発売)と同じだが、プレーヤーのコマを生誕から就職までの「ジュニアステージ」と、これまでと同じルールの「億万長者ステージ」に分けた点が6代目の大きな特徴。
この分け方、実はいくつかの理由がある。「子供のころからの人生ゲームファンが親になって、『自分の子供と遊びたい』『学校へ行く前の子供にも遊ばせたい』などの声が寄せられた」(鈴木寿伸広報課長)
そのためジュニアステージでは、ルールをやや簡単にして対象年齢も9歳以上から6歳以上に下げた。マス目の数も減らし、従来の半分の30分程度で遊べる設定。「今の子供たちは塾や習い事など、何かと忙しく、ゲーム時間も少なめにしたかった」(開発に携わったマーケティング統括本部の木曽直人係長)ためだ。
「テレビゲームの勢いは無視できず、人生ゲームといえども新たな方向性を模索しないといけない」(木曽係長)のが現状なのだ。
ルーレットで出た数だけコマを進め、止まったマスの指示に従うアメリカのゲーム「THE GAME OF LIFE」をタカラ(当時)が日本に導入したのは昭和43年。日本の「すごろく」と同じでなじみやすい上、ドルを模した紙幣の使用など、日本人が抱いたアメリカへのあこがれもくすぐり大ヒット。
「本家」は6代目だが、数々の「平成版」や「関西版」など派生型が次々に生まれ、「本家6代目」はなんと44種類目。テレビゲーム版も入れると、昨年までの累計出荷個数は1600万を超える。
過去と今を比べて、時代の変化を表すのがマス目に書かれた指示の内容。英語の直訳を使った初代から、日本オリジナルになった3代目(昭和58年発売)は「お歳暮を贈る」など日本風に。6代目では「恋人と三ツ星レストランに行く」「ネットショップで大もうけ」などぐっと現代風になっている。
一方で変わらないものもある。例えば紙幣の色。10万ドルは白、5万ドルは緑−などはずっと昔のまま。自動車の形のコマやルーレットなども同じ。途中の盛り上がった「山」も、「ゲーム盤を平らにしようと思えばできるが、スタイルを踏襲してきた」(鈴木課長)。
40年間でつけたゲームの「ブランド力」に同社は注目している。その一つの表れが、今年4月から受け付けを始めている「私の人生ゲーム for Bridal」(3万6750円)。オーダーメードで人生ゲームをつくるサービスで、結婚する2人に関するエピソードをマス目に入れ、パッケージは2人の写真が並ぶ。「コマなどのキーアイテムも含め、『ブランド力』を有効に活用していきたい」(木曽係長)という人生ゲームの勢いはまだ続きそうだ。
なぜ人生ゲームがこれほどの人気を集め続けるのか。東京おもちゃ美術館(東京都新宿区)の山田心ディレクター(26)は「基本はシンプルなすごろく。そのシンプルさが生き残る秘訣(ひけつ)。またボードゲームのよさは、必ず会話をしなければならないところで、親子や友達のコミュニケーションの輪が広がるところもすばらしい」と話している。
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