東京都大田区で1995年、父子2人が死亡したアパート火災など、計9件の放火や放火未遂などの罪に問われた元消防団員国分徹被告(48)に、東京地裁は25日、有期刑では最長となる懲役30年(求刑無期懲役)の判決を言い渡した。
戸倉三郎裁判長は「深夜の住宅密集地で老朽化した木造家屋を選んで放火。動機はストレス解消のためで身勝手極まりなく、再犯の恐れも大きい。消防団員だったことを考慮すれば刑事責任は極めて重大」と指摘。死亡した父子に対し「苦悶(くもん)と絶望感がいかばかりだったか、語るべき言葉もない」と述べた。
量刑判断では「無期懲役も十分考えられる」とした上で、父子死亡の火災について、別の放火未遂事件で逮捕された後、進んで自供した点を自首と認め有期刑とした。
判決によると、国分被告は95年12月19日夜、大田区内の木造2階建てアパートの物置にライターで火を付け、アパートを全焼させた。室内で寝たきり状態だった無職斎藤和男さん=当時(34)=と、助けに戻った家主の父安一さん=同(69)=が焼死した。
ほかに2006年12月から07年6月の間、大田区内で放火を繰り返し、民家2棟を全焼させるなどした。
国分被告は07年7月、民家への放火未遂容疑で逮捕され、その後、父子死亡の火災で再逮捕された。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080625-OHT1T00189.htm