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2008年06月24日(火) 06時04分

38歳女逮捕…JR大阪駅通り魔、知人が通報スポーツ報知

 JR大阪駅で女性3人が刃物で切りつけられ負傷した通り魔事件で、大阪府警曽根崎警察署捜査本部は23日、傷害容疑で神戸市西区の無職・大山和歌(かずか)容疑者(38)を逮捕した。容疑者は、公開された防犯カメラの映像を見た知人からの情報提供で捜査線上に浮上。調べに対し「やっていない。考えさせてください」などと供述しているという。

 身長約160センチで小太り。胸まで伸びた栗毛色の髪。縁の大きな黒い帽子にワンピース姿。右肩には白いショルダーバッグ—。

 不審な女性を撮らえた防犯カメラの画像を報道で見た大山容疑者の知人が、23日になって「間違いない」と通報。捜査本部では同夕方から大山容疑者に任意同行を求め取り調べていた。

 大山容疑者は22日の事件前、自宅の最寄り駅のJR明石駅から大阪駅に向かう際、扉に体を挟まれ、事件後に大阪環状線の降車駅で駅員に「体を挟まれた。どうしてくれる」などと文句を言ってトラブルになっていたという。

 調べでは大山容疑者は22日午後1時半ごろ、大阪駅の大阪環状線ホームに向かうエスカレーターや同線ホーム上で、兵庫県西宮市の女子大学生(20)と奈良県香芝市の女性会社役員(52)、大阪市大正区の女子大学生(20)の、それぞれ左上腕部を刃物で切りつけ軽傷を負わせた疑い。

 現場では黒い帽子の不審な女が目撃され、捜査本部は防犯カメラに写った女の画像を公開して行方を追っていたが、23日までに約60件の情報が寄せられたという。防犯カメラの女の手元に刃物の柄は写っておらず、捜査本部は、カッターナイフのような小型の刃物を手に忍ばせて使ったとみている。

 容疑者の住むマンションは大学やスポーツ施設が集まるニュータウンに近い住宅街にある。「1人で歩いているところをよく見かけた。あいさつもしたことはないが、見た目は本当に普通の人だった」(向いのマンションの男性)。「今日の正午すぎから刑事らしき人が4、5台の車でマンションを見張っていた」(近所の男性)。

 被害に遭った奈良県香芝市の会社役員の女性(52)は「もっとたくさんの被害者が出るのでは、と心配していた。早く捕まるように願っていたのでテレビで逮捕を知り、ほっとした。世間のみんなの不安も収まると思う」と安堵(あんど)した様子だった。

 任意同行した際、大山容疑者は顔をこわばらせていたが、その後は落ち着いた表情を見せているという。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20080624-OHT1T00085.htm