2008年06月24日(火) 20時06分
演歌はムードだ! ジェロがカラオケのコツを伝授(オーマイニュース)
『傘がないわけじゃないけれど 帰りたくない』
缶コーヒーのCMで、往年の演歌の名曲『氷雨』を熱唱する黒人の若者の姿に釘付けになった人も多いだろう。
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今年2月にデビューし、またたく間にヒットチャートを駆け上がった初の黒人演歌歌手ジェロ(JERO)が、初のカバーアルバム「カバーズ」発売を前に東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見し、外国人記者らの質問に答えた。
ジェロは1981年生まれ、米ペンシルバニア州ピッツバーグ出身。横浜出身の日本人の祖母の家で演歌に触れ、そのメロドラマチックな世界にはまった。5歳のときには祖母の家のカラオケセットで、祖母を喜ばせるために演歌を歌っていたという。
高校時代はヒップホップダンスのグループに所属、友人には演歌を歌っていることは各氏て、普通のアフリカ系米国人の少年らしい生活をしていた。
「でも、いつか日本に行って演歌歌手になり、ステージで歌うことが僕の大きな夢になったんだ」
とジェロ。ピッツバーグ大学を卒業して5年前に来日、接客などの仕事をしながら練習を重ね、今年2月、ビクターエンターテイメントからデビューを果たした。デビューシングル『海雪』はオリコンチャートで4位を達成。完璧な発音とこぶしを利かせた歌声、ヒップホップ調の外見というユニークさで、知名度を急上昇させている。
この日の会見にも、白いベースボールキャップに白い大きめTシャツ、ダイヤのピアス、シルバーのネックレス、半ズボンと、完璧なヒップホップスタイルで登場したジェロ。
集まった大勢の報道陣に会釈をしながら登壇すると、名門大学出身者らしい穏やかな英語で、演歌を始めたいきさつをスピーチ。「デビューして4カ月。多くの人に歌を聴いてもらえて、またこうして多くの海外プレスの方々とも話せて、とても光栄に思う」と謙虚に話した。
会見で「演歌の定義は?」と問われたジェロは、
「良く聞かれるが、簡単にいえばジャパニーズ・ブルースだと答えている。内面的で深い詩、ブルー(憂鬱)な気分、歌に込められた広い意味。哀しみの表現で、幸せを歌うことはあまりない音楽だと思う」
と回答。ヒップホップ調の服装で演歌を歌うという、これまでの日本にはなかったスタイルについては、
「祖母の家では、着物やスーツでビシッと決めた演歌歌手を見て『かっこいい〜』と思っていた。けれど、自分の場合はヒップホップの格好で歌ってきたから、この格好で歌うのが一番自分らしい。それができている」
と説明した。
また、米国の友人たちに、日本で歌手デビューしたことを話したら「おまえ、歌やってたのか?」と驚かれ、『海雪』のプロモーションビデオを見せたところ「Sounds good」とだけ感想を言われた、というエピソードも披露。
さらにカラオケでうまく歌うコツを問われ、
「カラオケというより演歌を歌うときのコツになってしまうけれど、盛り上がりが大事なポップスと違って、演歌はムード。歌詞の持つイメージが重要だと思う。聴いている人をその世界に入り込ませることだと思う」
とアドバイス。「帽子は85個持っている」「彼女はいない、いまは演歌と結婚しているから」と、外国報道陣の質問に大サービスで応じていた。
(記者:軸丸 靖子)
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