2008年06月24日(火) 20時21分
配当、損害から除外せず 投資詐欺で最高裁 大阪高裁に差し戻し(産経新聞)
投資詐欺事件をめぐる損害賠償請求訴訟で、被害者に配当金名目で支払われた現金を損害額から差し引くべきかどうかが争われた訴訟の上告審判決が24日、最高裁第3小法廷であった。藤田宙靖裁判長は、差し引くべきではないと判断し、減額した2審大阪高裁判決を破棄、審理を同高裁に差し戻した。
賠償を求められたのは、詐欺罪で実刑判決を受けた男(69)。男は平成12〜15年、米国債への投資名目で原告3人から計2200万円をだまし取った。一方、男は配当金名目で原告に計約200万円を支払っていた。
上告審で男の代理人弁護士は「原告は配当金分の利益を得ており、損害額算定では配当金分を差し引くべき」と主張していた。
藤田裁判長は旧五菱会ヤミ金融事件をめぐる訴訟で示した「反倫理的行為により損害を受けた一方で利益も得た場合には、この利益を損害賠償請求における損害額から差し引くことは許されない」との10日の最高裁判決を引用。その上で、「この詐欺が反倫理的行為に当たるのは明らかで、原告が得た利益を損害額から差し引くことは許されない」と結論付けた。
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