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2008年06月24日(火) 20時12分

秋葉原通り魔事件後、17人を摘発補導 7割は定職つかず 警察庁産経新聞

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件後、インターネットの掲示板に何らかの犯罪の予告を書き込む事件が23日現在、全国で17件あり、17人が摘発・補導されていたことが24日、警察庁のまとめで分かった。このうち12人が逮捕、4人が書類送検され、1人が補導された。また警視庁は24日、1人を逮捕した。

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 容疑者の7割にあたる12人が定職に就いておらず、このうち7人は20代男。また、17人のうち6人が未成年で、最年少は13歳の男子中学生だった。摘発の罪名は、刑法の業務妨害や脅迫がほとんどだが、警察庁では、社会への不安の波及を重視し、軽犯罪法違反(いたずらによる業務妨害)も積極的に適用、「犯罪予告の書き込みは犯罪」という認識を国民に広めたいとしている。

 人気アイドルグループ「AKB48」の公式サイトで殺人を予告したとして、警視庁万世橋署は24日、威力業務妨害の疑いで、東京都立川市の無職少年(18)を逮捕した。少年は「目立つ書き込みをすればメンバーから返事が来るだろうと思った」と供述している。

 調べによると、少年は今月10日夜、AKB48の携帯電話用ファン専用サイトに「秋葉原…消したい。尊敬する人…加藤智大容疑者」「僕もまねしようかな」などと書き込んだ疑い。

 少年は10日が誕生日だったが、メンバーから返事がなかったことに立腹。「ファンをなめると怖い目に遭うぞ」などと計26回書き込んでいた。

 警察庁によると、秋葉原事件後に逮捕・補導された容疑者らは「こんなに大騒ぎになるとは思っていなかった」などと供述。同庁幹部は「軽いいたずらのつもりであっても、具体性の高いことを書き込めば、国民に不安が高まり、警備の増強などせざるを得なくなり、悪影響は大きく、犯罪となる」と厳しく対処する方針を示している。

 こうした実情を踏まえ同庁は24日、全国の警察本部に、犯罪予告のネット掲示板への書き込みを厳正に取り締まり、摘発例を積極的に広報することを柱とする通達を出した。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080624-00000957-san-soci