2008年06月23日(月) 15時49分
偽装映画『純愛』、中国265館で一斉公開!?(オーマイニュース)
関連「NPO法人」の偽装がもとでEXILE・ATSUSHIによる主題歌が使用中止になった偽装映画『純愛』。観客動員数は伸び悩み、2008年3月に名古屋の劇場で主演・総指揮の小林桂子氏(推定43歳)が「ホール上映ができない状態」と語っていたほど。
ところが公式サイトによれば、6月14日から札幌で再上映がスタートし、7月には名古屋でも再上映。6月7日からは中国主要都市265館で一斉公開を開始した上に、6月21日には都内で開催される「第3回難民映画祭」(20日〜)でも上映された。加えて、支援者として複数の国会議員の名前まで浮上してきている。
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◆小林桂子氏の集客力にもかげりが…
すでに開始されている札幌での再上映では、例によって小林桂子氏らの舞台挨拶やライブが行われた。観客として会場に入った、記者の知人A氏が言う。
「桂子さんのトークと、共演のYASUTAKA(川口恭誉)のライブでしたが、客数は上映スタッフを含め29人。ライブ前の上映のときは22人でした。ほとんどの客は最前列に固まって陣取っていたので、みな身内なんでしょうね」
会場のマリオン劇場のスクリーンは96席。主演女優が挨拶に出向いても、もはや客席の3分の1しか埋まらなくなっているのだ。
◆日本興行は、胡首席訪日歓迎のため?
中国興行スタート前日の6月6日、北京で「披露上映会」なるものが行われた。『asahi。com』が配信した『人民日報』の記事は、『純愛』についてこう説明している。
『胡錦涛主席の「暖春の旅」を迎えるため、この映画は日本で自主配給のやり方で銀座、札幌、名古屋と1館ずつ劇場公開を実現している』
「暖春の旅」とは、胡首席が5月の訪日を指して用いたフレーズ。『純愛』関係者の意図かどうか不明だが、まるで政治映画であるかのように宣伝されている。しかし「偽装映画『純愛』、名古屋で公開」でリポートしたように、もともと『純愛』の日本興行は、客足がすこぶる悪かった。そんな不人気興行を胡首席の歓迎興行呼ばわりしてしまって、日中関係の将来は大丈夫なのか?
『純愛』は中国興行の収益の一部を四川大地震の被災地に寄付するとしているが、日本国内の興行では、四川へのチャリティーには熱心さが全く見えない。
「劇場には、(もともとの目的である)中国に学校を建設するための募金箱も、四川大地震のための募金箱もありませんでしたけど……」(前出のA氏)
◆告訴断念で「心機一転」の裏に国会議員の支援
『純愛』は07年、ATSUSHIの所属事務所などからNPO法人関連書類の偽造を指摘されて以降も、そのトラブルを隠してスポンサー企業に新たな出資をせびっていた。それでいて偽装の事実が報道されると、偽装を「第三者による詐欺だった」として刑事告訴を予告。完全に「被害者」を決め込んでいた。
ところが08年6月8日付けで公式サイトに掲載された声明によると、「物的証拠があまりにも不足」しているとの理由で、告訴を断念。偽装発覚後は「NPO 法人小林桂子基金」を「純愛基金」を改称し、再度NPO法人の認証手続きを行うとしていたが、これも断念。「詐欺事件」の詳細を説明することすらせず、すべてうやむやのまま、興行の手を広げている。
製作実行委員長・奥山省吾氏は『純愛』関係者や周辺に、複数の国会議員の実名を支援者として挙げながら、『純愛』の“躍進ぶり”をアピールしている。議員のみなさんは、『純愛』の実態をわかっているのだろうか。次回、議員の実名とともに詳細をリポートする。
(つづく)
(記者:藤倉 善郎)
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