環境保護団体「グリーンピース・ジャパン」が、調査捕鯨船の乗組員が自宅などに送った鯨肉を無断で持ち出した問題で、青森県警などは十九日までに、窃盗容疑などで団体幹部ら二人の逮捕状を取った。二十日に逮捕する方針で、東京の事務所など関係先も捜索する。
グリーンピース側はこれまで持ち出しの事実を認めた上で「横領疑惑の物的証拠を入手するためで、自身の用にあてるためではない」と主張。窃盗罪には当たらないと強調していたが、県警などは悪質な違法行為と判断。国際的な環境保護団体をめぐる刑事事件に発展する見通しとなった。
グリーンピースは五月、調査捕鯨船「日新丸」乗組員が捕鯨肉を私的に自宅などに送った疑いがあるとして、業務上横領容疑で東京地検に告発状を提出。鯨肉を証拠として公表した。
一方で、この鯨肉は盗まれたものとして、西濃運輸(岐阜県大垣市)が青森県警に盗難被害届を提出。県警が窃盗容疑で捜査していた。
グリーンピースによると、スタッフが四月十六日、西濃運輸青森支店(青森市)の配送所で、鯨肉の入った段ボール箱一箱を持ち出していた。
東京地検は同団体が告発した乗組員らに対し、不起訴処分にするとみられている。