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2008年06月20日(金) 22時37分

被害者に50億円返還へ 振り込め詐欺被害者救済法21日施行産経新聞

 振り込め詐欺の被害金を返還するルールを定めた新法「振り込め詐欺被害者救済法」が、21日に施行される。犯罪グループなどを相手に、時間も費用もかかる訴訟を起こさなくても被害金の返還を受けられるようになる。預金保険機構や金融機関は詐欺に利用されたとして入出金を凍結した約10万件の口座に残っている約50億円を、今後2年間で被害者に返還することを目指す。新たに発生した被害も返還対象としており、被害者救済は前進しそうだ。

 新法では、金融機関は警察や被害者からの通報で犯罪利用の疑いのある口座を凍結した上で、預金保険機構に口座名義人の権利失効を申し立てる。同機構は名義人や口座番号などをホームページ(HP)に掲載。60日以上たっても名義人から申し出がなければ、名義人は口座の権利を失う。その後、同機構はHPで30日以上、被害者からの返還請求を受け付け、金融機関は被害額に応じて口座残高を配分する。

 預金保険機構は7月16日からHPに犯罪口座を掲載。現在凍結中の約10万件の口座は平成22年3月までにすべて公表する考えだ。

 全国銀行協会は犯罪防止の注意喚起や被害金返還の手続きを説明したちらしを計180万枚作成し、約190の加盟行に配布。3メガバンクなど大手行も被害者向け電話相談窓口を開設した。りそな銀行は不正利用の疑いのある口座をみつけるシステムを導入。みずほ銀行も同様のシステムを年内に稼働させる方針だ。

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