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2008年06月20日(金) 17時24分

カルト宗教団体のウソ、いよいよ明るみにオーマイニュース

 6月15日夜、宮崎市内の小学校の体育館で、「宗教法人神慈秀明会集会所建設説明会」が行われた。あいにくの雨にも関わらず、体育館に用意された500の席は埋め尽くされ、立ち見も出るほどの参加者であった。

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 説明会は、定刻の午後7時30分、委員会の代表のあいさつから始まった。

 神慈秀明会側の説明に業を煮やした男性が壇上に詰め寄るなどヒートアップしたなかで、参加者していた男性の1人が、反対は反対で構わないが、神慈秀明会側の言い分も聞いてみようと発言。

 これに対し神慈秀明会は、現在の集会所は老朽化しおまけに手狭になってしまったので、不動産会社からこの場所を紹介していただき、持ち主との話し合いで購入した。当時の自治会長さん宅にも私どもが出向い
てあいさつをした、と答えた。

 「そんなのウソです!」

と、私のすぐうしろの席で声が上がった。1人の小柄な女性が、声を震わせ、驚いた表情をしていた。何度か、「そんなのウソです。私は会ったことはありません」と繰り返していた。その女性と目が合い、私は「奥さん、壇上で説明を」と女性を促した。

 壇上では、会った会わなかったの言い合いとなっていたが、このままでは埒(らち)が明かないと判断した委員会側は、神慈秀明会側に退席を伝えた。

 しばらく騒然とした雰囲気に包まれた会場だった。

 壇上に向かった女性はその後、席に戻ったが、まだ信じられないという表情をしていた。隣の人から「大丈夫だよ」と声をかけられていたが、気になった。

■カルト宗教団体は、ことば巧みに近寄ってくる

 神慈秀明会側が退席した会場は、いつの間にか、「集会所建設反対決起集会」になっていた。会場入り口で配布された「神慈秀明会集会所施設建設阻止宣言書」を朗読したあと、500人を超える参加者がシュプレヒコールを上げた。

 説明会終了後、先ほどの女性Aさんに事情をお聞きした。

 「先ほど壇上で、『おれは知らない』と言っていたのは私の夫です」

 Aさんは、集会所建設現場近くにお住まいで、神慈秀明会側があいさつに来たとされる3年ほど前は、ご主人が自治会長をされていた。が、神慈秀明会側は、あいさつには来ていないという。

  Aさんは、建設予定現場の草取りをしていて、草が伸びるとお母さまと一緒に手作業で草取りをしていたという。ある日、信者らしい方が数人で草取りをしていたので、Aさんが話しかけると、「ここに私たちがお祈りを捧(ささ)げる集会所みたいなものができるのですよ」と話していたという。

 3年前は、神慈秀明会のことはまったく知らなかったが、今年の4月、「建設計画の概要」という看板が立ち、そこに神慈秀明会集会所と書かれていたので驚いたそうである。

 神慈秀明会側は、2005(平成17)年4月ごろに、土地を購入したことと集会所建設のあいさつのために、当時の自治会長さん宅に出掛けていると説明している。

 その説明が間違っていると、その場で当時の自治会長さんから否定されてしまった。500人を超える参加者および報道陣を前にして、ウソがばれてしまった形となった。

 神慈秀明会側にはもう少し会場にいてもらい、追求することもできたかもしれないが、このような形で住民感情を逆なでしてしまってはどうしようもない。

 「神慈秀明会集会所施設建設阻止宣言書」には6項目の宣言が書かれているが、そのなかの1つを紹介したい。

 「私たちは、現在7000名を超える建設反対署名運動を展開してきたが、今後も集会所建設を白紙撤回するまで、宮崎市・宮崎県全域に拡大して続行する」(原文ママ)

 宮崎県内では、このような反対運動があることを知らない人も多い。これは、建設予定地になっている地域の住民だけの問題ではない。気づいたころにはすでに入り込まれていることもあるのだ。特に、カルト宗教団体と呼ばれるところは、ことば巧みに私たちに近寄ってくるのである。

 今後も神慈秀明会側の動きに注目し、取材を続けていくことにする。

(記者:大谷 憲史)

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