東京・秋葉原で17人が死傷した無差別殺傷事件で、殺人未遂容疑で逮捕された加藤智大(ともひろ)容疑者(25)の犯行の全容が判明した。
トラックで5人をはねた加藤容疑者は、交差点に向かって走りながら、無言で次々と通行人に襲いかかり、交差点付近で12人をナイフで刺したという。この間、わずか1分程度だったという。警視庁は20日午後、死亡した7人に対する殺人容疑で加藤容疑者を再逮捕した。
同庁幹部によると、加藤容疑者は、歩行者天国が始まった直後の8日午後0時33分ごろ、レンタカーの2トントラックで交差点に突入。東京情報大2年川口隆裕さん(19)ら5人をはねた。約70メートル離れた路上でトラックを止めると、ダガーナイフを手に運転席を飛び出し、交差点に向かいながら、ビラ配りのアルバイトをしていた東京芸大4年武藤舞さん(21)ら3人を相次いで刺した。
交差点では100人以上が、はねられた5人を見守り、歩行者天国で交通整理をしていた万世橋署の丸山正市警部補(53)ら数人が救助にあたった。加藤容疑者は、その背後から丸山警部補ら3人をナイフで一刺しすると、今度は交差点を横切りながら群衆に突っ込み、さらに3人を刺した。
当初は交通事故と思い込んでいた通行人らも、異変に気づいて交差点から周囲へ逃げ始めたが、加藤容疑者は、そのうち、中央通り沿いにいた会社員宮本直樹さん(31)ら3人の背中にナイフを突き立てたという。
ナイフで襲われた被害者の多くは、興奮状態だったことに加え、刃先が鋭利だったことなどから、刺されたことに気づかず、体当たりされただけと思い込み、約50メートルも逃げた後に倒れ込んだ人もいたという。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080608-2810266/news/20080620-OYT1T00459.htm