2008年06月18日(水) 12時00分
いつの世も「終末論」が唱えられるワケは?(R25)
「2012年人類滅亡説」が、今ネット上や書籍などで盛んに唱えられている。なんでも、高度な天体観測技術を持っていたとされるマヤ文明が生んだ“マヤ暦”が2012年12月22日で終わっていることから、この日以降地球はもう無いんじゃないかという説があるとか。でも、1999年のノストラダムスの予言も結局当たらなかったし…と思いネットで調べてみると、2012年以外にも出るわ出るわ終末論の数々! 「2060年に世界が終わる」という文書をニュートンが残しているとか、ノストラダムスの予言が実は1999年ではなく3797年だとか…。また1524年や1186年などとっくに過ぎた時代にも終末論は存在したという。
今まで当たった試しがないのに、なぜ予言はなくならないの? 『終末論の正体』(文芸春秋社刊)の著者である作家・小坂井澄さん、教えて!
「今まで様々な予言が囁かれてきましたが、当たり外れなんてあまり関係ないんです。終末論とは元々、『終わり』や『死』について考える学問のこと。終わりというものをどう受け止めていくかが大事なんです」
先生によれば、終末予言としても有名なキリスト教の『ヨハネの黙示録』は、当時ローマ帝国に侵略されていたユダヤ人が「悪しき世界が終わって良い世界がやってくるように」と願って書かれた説がある。これを、後世の人々が様々に解釈したため終末予言が生まれたケースもあったとか。それにしても、なぜ人は終末予言を気にするの?
「終末がいつ来るのか分からないものだからこそ、知って安心したいというのが人間の性なんでしょう。でも、見知らぬ誰かの唱えた論に頼らず、終末、そしていずれ来る自分自身の死に向き合うことこそ、本来の終末予言の捉え方ではないでしょうか」
また自然破壊や資源の枯渇といった問題の方が、よっぽど現代の終末論ではないかと先生。昔の人の予言に怯えるより、まず目の前の問題を見つめ直せ! ってことかもしれません…。
(R25編集部)
まだまだあるぞ終末の予言を見る
※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです
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