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2008年06月17日(火) 13時01分

岩手・宮城内陸地震:大崎市立上野目小、普通校舎の被害深刻 別棟で授業再開 /宮城毎日新聞

 大崎市岩出山の市立上野目小学校(児童64人)は普通教室校舎の地震被害が深刻で16日、臨時休校にした。同市教委は同日、同校舎の使用は危険と判断し当分の間封鎖した。授業は、被害があまりなかった別棟校舎の特別教室を普通教室に振り替え17日再開する。
 普通教室校舎は鉄筋2階建て。1〜6年生各クラスの大部分があるが、1辺40センチの何本ものコンクリート柱に亀裂が入って鉄筋が見えたり、階段が一部壊れコンクリート片が散乱。亀裂は鉄筋建築で著しい強度劣化を伴う「せん断破壊」と呼ばれる現象とみられる。
 同校舎は63年完成で築後45年。06年度に同市が行った耐震診断では、構造耐震指標(Is値)が1・0で「危険性が低い」に該当。耐震化工事の対象にならなかった。同教委は修復か建て替えか方針決定を急ぐ。同市内の他の小中校や幼稚園施設の被害は軽微という。
 県教委によると、Is値は阪神大震災直後の95年10月に制定された耐震改修促進法に基づく指標で「倒壊または崩壊の危険性」を示す。0・6以上が「危険性が低い」に該当する。建物の強度や老朽化の程度に基づき判断するため、地盤の固さなど地形の特徴によって0・6以上でも被害が大きくなる場合もあるという。文部科学省施設助成課は「0・6以上でも倒壊や崩壊した例はある」と説明している。【小原博人、伊藤絵理子】

6月17日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080617-00000053-mailo-l04