岩手・宮城内陸地震の影響で、仙台市の「陸奥国分寺薬師堂」の欄間が落ちるなど、国指定の重要文化財や史跡など計十二件に被害が生じたことが十四日、文部科学省の調査で分かった。
学校の校舎も天井が落ちるなどの被害が出ており、文科省は災害情報連絡室を設置。子どもたちの安全確認とともに、文化財や教育関連施設の被害状況について情報収集を進めている。
文科省によると、被害があった重要文化財は六件。陸奥国分寺薬師堂のほか、秋田市の「旧奈良家住宅」の白壁が約二十センチはがれ、宮城県蔵王町の「我妻家住宅」の文庫蔵も塀にひび割れが見つかるなどした。
史跡では岩手県北上市の「江釣子古墳群」の石積みの一部など四件が破損。宮城県大崎市にある史跡・名勝「旧有備館および庭園」の柱や壁に亀裂が入り、岩手県一関市の重要文化的景観「一関本寺の農村景観」では川岸の一部が崩落した。
一方、岩手、宮城、秋田、山形の四県にある国公私立の大学や小中高校、幼稚園など計百六十五校で天井材が落下したり、ガラスが破損したりし、公民館など五施設でも被害が出た。