2008年06月14日(土) 11時10分
【独占】元XのTAIJIが激白(オーマイニュース)
今年3月、X JAPANがおよそ10年ぶりに再結成した。復活舞台は東京ドームで、驚異の3夜連続。チケットは、邦人アーティストとしては異例のS席1万2800円という高値がつけられたが、蓋を開けてみれば入手困難。“あのころ”と同じく、即日完売となった。
やはり、X JAPANは、本物だったのだ——。
そのX JAPANが「X」というバンド名で伝説の扉を開けようとしたのは、およそ26年前。二本柱といえるYOSHIKI、TOSHIが、アメリカのロックバンド・KISSをイメージさせる派手なルックスで、日本ロック界に旋風を巻き起こした。のちに、“ビジュアル系”というジャンルを確立した、生みの親でもある。
その先駆者的ユニットに結成約4年後、名を連ねたのがTAIJI。ベーシスト兼アレンジャーとして加入した。いや、加入させられた、YOSHIKIという“戦友”に……。
【動画】元XのTAIJI、メンバーを語る(8分43秒)
「彼と音を合わしたときに思ったんですよ、これはやってられんわと、こいつらとは一緒にできないと。あまりにも下手クソなんでね、付いていけない。こいつらと一緒になったら、僕も下手になっちゃうなぁと思ったんで、『辞めるわ』って断ったんですよ、2回も。でも、『手伝ってくれ』と言われたんで、そう言われると僕も鬼じゃないんで、じゃあ、手伝おうかなぁと」
当時、TAIJIにとってYOSHIKIが奏でた音色は、「なにを伝えたいのか、まったく理解ができないもの」だった。その稚拙さをカバーするために、体よく“ビジュアル系”という格好なる逃げ道が誕生したのだとすれば、「それは単なるマスターベーションにすぎない」というのが、TAIJIの私論。首を縦に振るまで時間を要したのは、こんな理由からだった。
ところが、YOSHIKI、TOSHI、HIDE、PATA、TAIJIの黄金メンバーでスタートしてからのXは、まさに破竹の勢い。インディーズ時代には、アルバムの初回プレス枚数やライブハウスの観客動員など、歴史を次々と塗り替えた。さらに、メジャーデビュー後は東京ドームでの連続公演が当たり前となるトップアーティストに上りつめ、TAIJIは初の東京ドーム公演を始め、巨大ステージに4回立った。また、両手を交差して「X!」とジャンプする応援パフォーマンスは社会現象とまでいわれ、小泉純一郎・元内閣総理大臣をはじめ著名人のファンも多い。日本中がXの破壊力と無謀な策、その末に生まれる創造性に魅了されたのだ。
破壊から始まる創造——。
これは、TAIJIが敬愛する亡きHIDEが遺した台詞である。Xを脱退して16年。HIDEがこの世を去って、ちょうど10年。TAIJIの心には今も、X魂と「大尊敬する」HIDEが宿っている。
「HIDEとは一緒に釜の飯を食ってきて、一緒に音を作ってきたメンバーですから、(死を)ひとことで言えないのは当たり前なんですけど、心に彼が今でも問いかけてくるっていうのはありますよ。『TAIJI、これは違うんじゃないの?』とか『よし、それでいいぞ!』とか、HIDEだったらこう言うんじゃないかなぁっていうのはありますね。幻聴じゃなくて(笑)、心で聞こえる」
最後に、“同志”たちの素顔について聞いた。
「僕はHIDEじゃないんで素顔はわからないけど、素顔に近い部分でいえば尊敬できるヤツでしたね。YOSHIKIは……、カッコいい男です。センスもあって、あれだけの動員数を誇れるっていうのはすごいことだと思いますし」
3 月の東京ドームではなく、5月に東京・味の素スタジアムで開催された『hide memorial summit』に足を運んだTAIJI。ステージに立つでもなく、旧友たちとの再会に歓喜の声をあげるでもなく、「チケットを買って、ふつうに客席で観てた」という……。
■TAIJIが映画の音楽監督に初挑戦!
DYNAMITE TOMMY(COLOR)初監督×TAIJI(ex。X)が初音楽監督を務める映画『Attitude』が7月19日から、東京・下北沢トリウッドを皮切りに全国順次公開。8月1日には、映画出演者によるイベントをディファ有明で開催予定。
(記者:伊藤 雅奈子)
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