今回の地震は、深さ約10キロ・メートルという内陸の浅い場所を震源としており、地下の活断層がずれたものと見られている。
今回の地震について、防災科学技術研究所地震観測データセンターの小原一成センター長は「東西方向に圧縮されてひずみがたまった逆断層の地震だ。この周辺では過去にも浅い震源の地震が起きており、内陸の地震活動が活発な一種のひずみ集中帯のような地域だ」と話している。
今回の地震が起きた岩手県西部には、南北約60キロ・メートルに渡る「北上低地西縁断層帯」と呼ばれる断層地帯がある。この断層の南の部分が約24キロ・メートルの「出店(でたな)断層」と呼ばれ、震源の北東部まで伸びていることが確認されている。
岩手県は、兵庫県南部地震後に活断層調査委員会を設置して内陸部の活断層を調査し、2001年6月に評価をまとめている。
出店断層では、大きな地震が近年に起きた記録はなく、調査でも活動間隔ははっきりしなかった。同断層で想定される地震の規模はマグニチュード7・3だが、300年以内に発生する確率は0%と評価している。
一帯の断層を調査したことがある東洋大学の渡部満久教授(地形学)は「出店断層帯か、その近くにある未知の断層帯が動いた可能性がある。活動履歴が分からないので、安心してはいけない所だと指摘していた」と話す。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080614-OYT1T00262.htm