2008年06月14日(土) 23時34分
【岩手・宮城内陸地震】また「ゴーッ」の音が…余震におびえる避難所(産経新聞)
岩手県一関市西部の祭畤(まつるべ)温泉や秋田県境の須川温泉では、唯一通る国道342号に亀裂や土砂崩れなどが生じ、百数十人が取り残された。自衛隊や海上保安庁のヘリが午後2時ごろから、取り残された被災者を約20キロ離れた同市厳美町の本寺小学校まで運んだ。
体調を崩して横になる女性の血圧を職員が測る間にも、「ゴーッ」という音とともに数回の余震があり、被災者は「また来た」「この音が嫌」と不安そうな表情を見せた。
祭畤温泉で旅館を経営する佐藤奈保美さんは「廊下に約30センチの段差ができた。サッシがすべて外れ宿泊客の1人がけがをしたが、救急車を呼んでも道路が寸断されてきてもらえなかった」。地震発生時には12人の宿泊客を避難させ、余震が襲う中、いつ倒壊してもおかしくない旅館内に入り、客の荷物を運び出したという。
「車が浮き上がる感じで、ハンドルにしがみついた」と語るのは、仙台市若林区の白沢礼子さん(66)。温泉の近くで車を止め、休もうとした瞬間だった。「地元の人に『避難してくれ』といわれ、そのとき初めて地鳴りの音に気が付いた。パンパンと岩が割れるような音もしていた」と興奮気味に話した。
宮城県気仙沼市の小野寺重二さん(75)は娘夫婦と孫2人を連れ、須川温泉に向かう途中だった。
「山を登っていたら、車が横に揺れ、石が落ちてきた。来た道を戻ったが、道路に30センチくらいの地割れがあり、車が挟まってしまった」
ヘリコプターで運ばれる途中、上空から見た風景は、「橋の真ん中が3メートルくらい落ちてしまっていた。山は全部赤肌になっていた」と恐怖の瞬間を振り返った。
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