2008年06月14日(土) 16時07分
岩手・宮城で震度6強 M7.2、2人死亡100人超けが(産経新聞)
14日午前8時43分ごろ、東北地方で強い地震があり、岩手県の奥州衣川と宮城県栗原一迫で震度6強を記録した。町村信孝官房長官は福島県と岩手県で計2人が死亡したと発表。地元消防などによると、岩手、宮城、山形、福島各県で100人以上がけがをした。各地で多数の道路崩落があり、橋の落下や民家の倒壊など深刻な被害も出ている。政府は官邸対策室を設置。泉信也防災担当相ら政府調査団を現地に派遣した。
気象庁は「岩手・宮城内陸地震」と命名。震源地は岩手県内陸南部で、震源の深さは約8キロ。地震の規模はマグニチュード(M)7・2と推定される。その後も震度5弱など余震とみられる揺れが続いた。午後1時までに震度1以上の余震が111回発生。最大は9時20分に宮城県大崎市で震度5弱を観測した。震度4も8回にのぼる。
福島県いわき市では、小浜漁港の磯場で磯釣りをしていた同市の会社員、石井道隆さん(55)が、崖からの落石に巻き込まれて海に転落、死亡。岩手県一関市の千葉友三さん(60)は地震直後に自宅から飛び出しトラックにはねられ死亡した。
各地の消防によると、奥州市のダム工事現場で落石があり、1人が心肺停止の状態。栗原市花山の作業現場では土砂崩れで、作業員3人が行方不明となった。
奥州市胆沢区の林道では、マイクロバスが転落。現場は、高檜能山(たかひのうざん)へ向かう林道の入り口で、バスには20人が乗車。4人が重傷を負い、ヘリで救出予定という。ブナ林の観察にでかける途中だったという。
同市江刺区の玉里保育所では、ガラスが割れ、園児ら7人が負傷。宮城県名取市では、仙台空港に向かうバスが橋の上で3、4回バウンド、乗客25人中23人が軽傷を負った。
また岩手県一関市消防本部によると、同市内の温泉宿「須川高原温泉」に通じる国道などが土砂崩れで寸断され、温泉宿の従業員や宿泊客計約100人が孤立しているという。
JR東日本によると、仙台−古川、一ノ関−水沢江刺間で、新幹線計3本が停止し約2050人が閉じ込められた。東北自動車道なども通行止めとなった。
東京電力や東北電力によると、福島第1、第2原発、女川原発に異常はないという。気象庁はこの地震で、大きな揺れの直前に予想震度を発表する緊急地震速報を出した。
主な各地の震度は次の通り。
震度6強=岩手県奥州市、宮城県栗原市
震度6弱=宮城県大崎市
震度5強=岩手県北上市、一関市、仙台市、宮城県登米市、秋田県湯沢市
震度5弱=岩手県遠野市、宮城県石巻市、秋田県横手市、山形県最上町、福島県新地町
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■四川大地震に酷似
政府の地震防災対策強化地域判定会委員も務める日本大学文理学部地球システム科学科、吉井敏尅教授の話「震源地の北方には大きな逆断層帯があり、その延長となる逆断層が縦ずれを起こしたのだろう。東北地方は、日本列島を乗せた陸側のプレート(岩板)が、東側から押してくる太平洋プレートに押されて歪(ひず)みがたまりやすい。この歪みが限界を超えると、逆断層がずれて地震が発生する。四川大地震の発生メカニズムと非常によく似ている」
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東北地方で強い地震 岩手と宮城で震度6強
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