2008年06月12日(木) 12時00分
音の原理を再確認蓄音機づくりにチャレンジ!(R25)
今や音楽はデータで聴くのが主流。しかし、R25世代にとってはちょっと縁遠いかもしれないが、筆者の少年時代、音楽とはレコードで聴くものであり、それをカセットテープにダビングし、小型プレーヤーとともに携帯したものだ。
さらに時代をさかのぼれば、レコードプレーヤーの前身として蓄音機がある。これはSP盤(旧式のレコード盤)をゼンマイで回転させ、音溝をトレースして振動を起こすことにより、ラッパ型のホーンから音を発するもの。アンティークなその容貌は、骨董品の世界でも人気だ。
そんな蓄音機が、手作りキットという思わぬ形で現代に蘇った。学研「大人の科学製品版」シリーズから登場した『プレミアム蓄音機』だ。
「もともとこのシリーズでは、『エジソン式コップ蓄音機』をはじめ、様々なスタイルの蓄音機を商品化してきました。蓄音機は今回が5代目で、今までのノウハウをすべて注ぎ込んだ商品を作ろう、ということで企画開発しました」(同編集部・金子茂さん)
20世紀初頭の蓄音機を模したこのキット、ゼンマイで回転板を回し、LP盤やEP盤のレコードはもちろん、古いSP盤まで再生でき、プレーヤーとしてなかなかの機能を備えている。しかしそれ以上に有意義なのは、「音=振動」という物理をあらためて実感できる点だろう。
「デジタルで動く機器では、『どうやって動作しているのか?』という点についてはブラックボックスの中です。本キットでは、針の振動がサウンドボックスの振動板を震わせ、その震えがさらに空気を震わせ、“音”としてホーンに伝わって増幅されます。そうした物理現象を体感しながら音楽鑑賞できるので、音楽に対してより深い理解が進むと思います」(同)
しかもこのキット、録音も可能なのだ。付属の録音用シートや、不要になった手持ちのCD盤などに、ホーンを通して音の“振動”を刻むことができる。刻み込まれた溝をよく見ると、音によって波形が異なることがわかり、これまた音が物理現象であることを実感させてくれる。
普段耳にしているすべての音楽には、もともとこうした原理がある。音の原理を知ることで音楽を聴くのがいっそう楽しくなってきた、というのが筆者の素直な実感だ。何だかレコードで音楽を聴きたくなってきたかも…。というわけで、実家に眠っている懐かしいおニャン子クラブのレコードでも掘り出してこようかな〜。
(R25編集部)
音の原理を再確認 蓄音機づくりにチャレンジ!の詳細情報
※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです
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