2008年06月10日(火) 11時39分
加藤容疑者 劣等感募らせ犯行か 秋葉原通り魔事件(産経新聞)
東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、殺人未遂の現行犯で逮捕された静岡県裾野市、派遣社員、加藤智大容疑者(25)が携帯電話のサイトの掲示板に「勝ち組はみんな死んでしまえ」「負けっぱなしの人生」と書き込んでいたことが10日、分かった。警視庁万世橋署捜査本部は、高校卒業後の進路や就職先に劣等感を募らせていったことが、犯行の引き金になったとみて裏付けを進める。
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加藤容疑者は青森県有数の進学校、県立青森高校を卒業。同級生の大半が4年制大学に進学する中、自動車整備士などを養成する岐阜県の中日本自動車短期大学を選んだ。友人の間でも自動車好きで知られていたが、卒業まで半年になり、突然、地元の国立大への編入希望を出したという。
結局、編入はかなわず、短大を卒業。いくつかの職を経て、昨年11月、製造業派遣大手の日研総業に登録、静岡県裾野市の関東自動車工業東富士工場に派遣された。工場関係者によると、勤務態度は良好で、同僚との人間関係も問題なかったという。
一方、派遣先では5月末に人員の削減計画が浮上、実際にはリストラ対象ではなかったが、加藤容疑者は派遣社員がリストラされるとの焦燥感を一方的に募らせていたようだ。
携帯電話のサイトの掲示板でも《日に日に人が減ってる気がする》(5日午前6時4分)《大規模なリストラだし当たり前か》(同日午前6時5分)《あ、住所不定無職になったのか》(6日午前1時44分)と心情を吐露。
同じサイトには《勝ち組はみんな死んでしまえ》(4日午前0時55分)《高校出てから8年、負けっぱなしの人生》(同日午前5時57分)《悪いのは俺なんだね》(同)と書き込み、不安定な立場の派遣社員に「負け組」との意識を強めたとみられる。
加藤容疑者は「仕事はやめた」と供述しているほか、携帯電話のメール履歴などを犯行直前に消去していたことも判明。捜査本部は身辺整理を図った上で、無差別殺人を計画した疑いが強いとみて追及する。
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