2008年06月10日(火) 13時21分
オーマイ読者相談室 妻に離婚を匂わされちゃった!?〜内田春菊センセイの回答(オーマイニュース)
(相談)
映像関係の仕事で、週2、3回しか家に帰れない日々です。妻はそんな生活に疲れているようで、「離婚して母子家庭になった方がまし」と言い出しました。妻はウソを言わない性格なので本当に怖いです。結婚して6年、変わらず妻も愛していますし、2人の幼い娘も可愛くていつも一緒にいたい。ですが仕事上、この生活を変えられる見通しはありません。周囲には「だから業界人にはちゃんとした家庭があまりないんだよ」と言われます。どうしたらいいでしょう? (32 歳、男性)
■内田春菊センセイの回答
世の中には、遠く離れたままなかなか会えなくても離婚しない夫婦もいます。週に2、3回しか家に帰れないことだけが原因ではないと思います。たとえば商店を経営などして、1日中一緒にいる夫婦でも、
「一緒に居るのにこんなこともしてくれないんだったらいないほうがまし」
と思われる夫だっているはずです。
「妻も愛しているし2人の娘も可愛くていつも一緒にいたい」とおっしゃってはいますが、口だけならなんとでも言えます。もしそう思っていても、妻が「あたしって愛されてる」と実感するようなことは何ひとつしていない人だっていると思います。もし否定されるなら、
「自分はあまり家に帰れなくても夫として立派にやっているつもり」
という自信が質問の中に読み取れるようにすべきでした。
また、仕事への愛情、適性などもこの質問から感じられません。好きで選んだ仕事であれば、妻にその面白さを話してわかってもらおうとするはずですが、「仕事上、この生活を変えられる見通しはありません」という箇所はなんだかいやいや仕事してる人みたいですし、熱意も伝わってきません。
なんとなく仕事を選んだら結構忙しくて妻が怒り出したどうしよう、と流れに身を任せているだけのように見えます。
「だから業界人にはちゃんとした家庭があまりないんだよ」
とか言われて納得していないで、そこで、
「あまりなくてもちゃんとしてる人もいるんですよね、その人たちはどうしてるんでしょうか? 誰かうまく行ってる人教えて下さい」
と聞き返し、そのうまくやってる人にコツを聞きに行くのがいいと思います。この質問だけではどんな仕事なのかわからないし、こんな意思の薄い言い方で人に質問すると、
「僕って可愛い妻と娘たちがいるのに忙しすぎる『業界人』なんだよねー」
という自慢が目的なのではと勘違いする人もいると思います。
■同じ相談への斎藤環センセイの回答は「
行動パターンを変えずに関係修復はありえませんよ 」
プロフィール
内田春菊[うちだ・しゅんぎく] 漫画家、小説家、エッセイスト、女優、歌手
1959年生まれ、長崎県出身。1984年に4コマ漫画で漫画家デビュー。93年に小説家デビュー作の『ファザーファッカー』で直木賞候補。漫画の代表作に『南くんの恋人』『水物語』『目を閉じて抱いて』、小説の代表作に『キオミ』『私の中に答えはあるか』『ぬけぬけと男でいよう』、エッセイに『作家は編集者と寝るべきか』『教育してます?』など。
(OhmyNews編集部)
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