2008年06月09日(月) 17時18分
秋葉原通り魔事件 血だまりの歩行者天国(産経新聞)
■トラックでひき、ナイフで次々
加藤容疑者は8日午後0時30分ごろ、レンタカーのトラックで神田3丁目交差点に入ってきた。通行人を次々とはねた後でタクシーに衝突、交差点には、はねられて血を流した人が何人もうずくまっていた。
現場近くの電器店の男性店員は「あおむけに倒れたまま、上半身から血を流して両手を天に向かってあげて、『うー』とうめきながら助けを求めるようなしぐさをしていた中年男性もいた」と言い、周辺は血の海になったという。
トラックの運転席から降りた加藤容疑者は歩行者天国に向かった。ベージュのジャケット姿。周辺の数人と言葉を交わしたようにも見えたが、突然、はねられて路上に倒れ込んでいた男性の一人に馬乗りになり、両刃ナイフで何度も刺しはじめた。男性はピクリとも動かなくなった。
倒れていた男性を保護しようとする制服警察官。加藤容疑者はこの警察官にも近づき、平然と脇腹を刺した。その後、「ワー」と叫び声を上げながら、「飛行機のように手を広げて、蛇行しながら走って行った」(自営業の男性)という。
歩行者天国の買い物客らは、この時点でただならぬ事態に気づき、逃げ出した。電器店従業員は「数百人が一斉に動いた。津波が来たかのように、急にみんなが走り出し、パニック状態になった」。喫茶店の男性従業員(58)は「全速力で転びながら走って店の中に逃げ込んだ。鳥肌がたった」と振り返った。
警察官に追いかけられた加藤容疑者は交差点の真ん中あたりで、出合い頭に女性の腹を刺し、さらに別の男性を刺して逃げた。CDを買いに来ていた会社員の男性(35)は「あっという間に加藤容疑者が警察官らを刺したのを見て、一瞬呆然(ぼうぜん)とした。女性は腹が真っ赤に染まっていた。男性はあおむけに倒れていた」。
警察官から警棒で一撃されたとみられる加藤容疑者は、逃げるようにして、電器店の間の路地へ。警察官が「待て、待て」と言いながら後を追った。免税店の男性店主によると、加藤容疑者は「チャンバラのような感じで警察官ともみ合いながらにらみ合っていた」。数分間の緊張したやり取りの後、警察官が「ナイフを捨てないと撃つ」と告げ、拳銃をゆっくりと構えた。観念したのか、まもなく組み伏せられ、現行犯逮捕された。その脇にも男女2人が刺されて倒れていたという。
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