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2008年06月06日(金) 19時55分

青少年ネット規制法案 衆院通過オーマイニュース

 青少年に「有害な情報」の閲覧を制限することを目的とした、いわゆる「青少年ネット規制法」案が6日、衆議院を通過した。2日にまとまった与野党合意により、党内調整を経て、同日衆議院青少年特別委員会で委員長提案されて了承。午後に衆院本会議を通過した。今国会で成立する見通し。

 法律名は 「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」。18歳未満の「青少年」に対して、「有害情報」の閲覧する機会をできるだけ少なくすることが主な目的だ。

 この法律での 「青少年有害情報」とは、

1)犯罪若しくは刑罰法令に触れる行為を直接的かつ明示的に請け負い、仲介し、若しくは誘引し、又は自殺を直接的かつ明示的に誘引する情報
2)人の性行為又は性器等のわいせつな描写その他の著しく性欲を興奮させ又は刺激する情報
3) 殺人、処刑、虐待等の場面の陰惨な描写その他の著しく残虐な内容の情報

 であり、これまでの民主党案にやや近くになっている。

 内閣府には内閣総理大臣を長とする「インターネット青少年有害情報対策・環境整備推進会議」を設置する。青少年のインターネット利用に関する基本計画を策定することになる。そして、国及び地方公共団体、携帯電話ISP、ISP、保護者、PCメーカーなどに努力義務を課している。

 総務大臣と経済産業大臣の登録を受ける「フィルタリング推進機関」は、民間団体やISPが担うことになる。自民党案では紛争処理機関は「指定団体」だったが、「登録」になったことで、国家の関与の度合いを軽減したことになる。

 国の関与が「基本計画」の策定にとどまり、当初の自民党案のように、行政指導も罰則もない形となったのは、国家の直接的な関与に反対していた民主党や ISP事業者、ネットユーザーらの声に寄った形になったと思われる。ただ、具体的に、どのような情報がフィルタリングの対象になるのか、またどのようにフィルタリングをするのかの課題は多い。

 これに対して、新聞協会メディア開発委員会(山田哲郎委員長)は同日、「有害情報かどうかの定義・判断については、憲法21条が保障する表現の自由の観点から、直接、間接を問わず国は関与すべきではない。「例示」といえども、有害情報がいったん法律で規定されれば、事実上の情報規制を招く根拠ともなりかねない。また、有害情報を実質的に判断するフィルタリング推進機関を国への「登録制」とすることについても、公的関与の余地を残す」と懸念を表明した。

(記者:渋井 哲也)

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