【ロンドン=内田晃】欧州を訪問中の福田首相は2日午前(日本時間2日夜)、ロンドンに到着し、ブラウン英首相と、首相官邸で初の首脳会談を行った。両首脳は7月の北海道洞爺湖サミットで、主要テーマになる地球温暖化問題や世界的な食糧価格の高騰などについて「力強いメッセージを出すことが重要」との認識で一致した。
福田首相は会談の中で「サミットの主要議題である世界経済、環境、気候変動、アフリカ、食糧価格高騰問題について、主要国(G8)で一致したメッセージを出したい」と提案。ブラウン首相は「国際社会はG8が強いメッセージを出すことを期待している」と応じ、首相の考えを支持した。
気候変動問題では、昨年の独ハイリゲンダム・サミットで温室効果ガスの50年までの半減を「真剣に検討する」と合意したことを受け、洞爺湖サミットでも積極的なメッセージを出すことが重要、との認識で一致した。ブラウン首相は「排出量取引制度を通じて、炭素市場を拡大していきたい。日本の参加を期待している」と日本の排出量取引制度導入を促したが、福田首相は「幅広い論点から検討中だ」と述べるにとどめた。
両首脳は、食糧問題について「喫緊の課題であり、国際社会が団結して取り組むことが必要」との認識で一致。福田首相は、3日からローマで開かれる食糧サミットの成果を踏まえて、途上国の食糧増産や農業生産性の向上の問題に重点的に取り組む考えを示した。
また、福田首相はサミットでのアフリカ問題の扱いに関連して「保健、水、教育を焦点にメッセージを発出することを考えている」と述べた。
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