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2008年06月02日(月) 22時24分

千億円赤字解消へ減資 新銀行東京、出資都税の大半なくす朝日新聞

 経営難で東京都が400億円を追加出資した新銀行東京が2日、1016億円にのぼる累積赤字を解消するために減資をする方針を明らかにした。30日予定の株主総会に提案する。都が設立時に出資した公的資金1千億円の大半の棄損が確定する形となる。

 2日公表された08年3月期決算では当期赤字が167億円となった。予想を上回った不良債権の処理に129億円を計上したためで、津島隆一・代表執行役は「融資対象の経営実態の見極めが非常に甘かった」と述べた。不良債権比率は12.7%で前年の6.28%から膨らんだ。

 減資について、同行は「具体的な数字はないが、累積損失が一つの目安」とし、同行の資本金1589億円を取り崩して累積赤字を相殺する意向を示した。資本金にかかる外形標準課税の年数億円の節税を期待するほか、他の金融機関との業務提携や営業譲渡をにらんでの対応だが、04年設立時に都が出資した都税1千億円の大半が失われることになる。

 

 同行は減資をへて、経営再建に努めるという。しかし、同日発表した今年度の見通しでは、景気後退による不良債権増で09年3月期の当期赤字は126億円と予想した。現在、開業以来初の金融庁検査が入っていて、結果次第では貸し倒れ引当金積み増しを迫られ、業績が下ぶれする可能性もある。業務提携などについては、非公式に2、3件の申し出が来ているという。(別宮潤一)

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http://www.asahi.com/national/update/0602/TKY200806020250.html