航空会社スカイマーク(東京都港区)は2日、機長2人が5月末に退職したため、6月2日から29日にかけて、羽田と新千歳、旭川、神戸、福岡の各空港を結ぶ4路線計168便(全運航便の約1割)が運航できなくなると、国土交通省に届け出た。操縦士の欠員で大規模な運休になるのは、きわめて異例。同社は「予期せぬ退職で対応が追いつかなかった。30日には通常ダイヤに戻すよう努力したい」と言っている。
操縦士も、いわゆる団塊の世代が定年時期を迎えていることから業界全体で年に200人以上が退職。このため、各社とも操縦士は不足気味だが、特にスカイマークのように操縦士の自社養成をしていない新規参入組の航空会社は人材確保が難しくなっており、新規各社は退職者や外国人を雇うことで減員を補っているのが現状だという。
スカイマークによると、今回退職したのは、いずれも日本人。1人は病気で、1人は契約更新がうまくいかなかった。さらに、同社は燃費効率を上げるため、機体をボーイングB767型から小型のB737型に移行を進めている最中で、移行に向けて操縦士の資格移行訓練も行っていることから人員のやりくりが苦しくなっていた。
2日は、旭川便と神戸便の各2便が欠航。さらに29日までに旭川38便、新千歳24便、神戸54便、福岡48便が運休する予定だ。これに対し、国交省は利用者に混乱が生じないよう、速やかな情報提供や払い戻しなどの対応を指示。今後は人員が手当てできなかった背景も調べる。
スカイマークは低運賃が特徴で、98年に羽田—福岡線に新規参入。機体の小型化の効果もあり、08年3月期の単体決算は3年ぶりに黒字となっている。(佐々木学)
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