子どもたちが犯罪に巻き込まれかねないインターネット上の有害な情報を規制する法案について、衆院青少年問題特別委員会は2日、有害性を判断する基準作りに国が関与しないことで与野党の実務者が基本合意した。基準作りは業界団体などによる第三者機関の判断に委ねる。今国会中に法案を成立させる方針だ。
玄葉光一郎・同委員長(民主)は会合後、「この案で各党内の手続きを進める」と述べた。ただ、自民党内の一部に異論があり、手続きが難航する可能性に含みを残した。
ネットが関係する事件が相次いだことを受けて検討が始まった自民党案では、届け出制などの形で国が関与する第三者機関が、有害な情報サイトのフィルタリング(閲覧制限)の基準を作り、事業者に改善勧告などの措置を取ることができる、としていた。
これに対し、ヤフーなどネット大手や日本新聞協会は「表現の自由を侵害する」として、有害性の判断に国が関与しないよう自民党や民主党に要請。民主党も反対した結果、国が関与する規定は盛り込まないことで最終的に与野党が折り合った。
ただ、国の関与について、フィルタリング機能の向上に取り組む研究開発機関は国に登録できる形で残した。これが解釈拡大などで表現の自由に抵触する恐れがないかは今後、議論になりそうだ。
法案では、携帯電話を青少年が使う際、保護者の同意がある場合を除いてフィルタリング機能の活用を契約条件とするよう、携帯電話会社に義務付ける。罰則はなく、業者や保護者への義務付けも努力規定にとどめる。
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