元気なら毎朝、玄関先に黄色いハンカチを——。宮崎県延岡市北川町の小さな集落で始まった、お年寄りの安否を確認する取り組みが町内全域に広まりつつある。当初の3地区が、今では10地区に拡大、同町内の半数以上の世帯に浸透し、地域のきずなも深まった。
朝起きたら、玄関先や通りに面した場所に黄色いハンカチを出し、夕方には中へ入れる
黄色いハンカチ運動を始めたのは山あいの八戸、下赤、上赤地区の計約120世帯。自治公民館長や民生委員らでつくる団体が、物品販売などで得た収益で黄色い布を購入。4年前に竹の棒と一緒に地区内の全戸に配ったのが始まりという。
朝起きたら、玄関先や通りに面した場所に黄色いハンカチを出し、夕方には中へ入れる。ハンカチが出ていなければ、近所の人が声をかける仕組みだ。
下赤地区に住む一人暮らしの黒木ハツ子さん(78)は「近所の人に『きょうも元気じゃねー』と思ってもらうことで、見守られている気持ちになり、安心する」。
高齢者宅を狙った、悪質な訪問販売が増えたことへの対抗策としても効果は出ているという。これまでに町中心部に近い飛石、深瀬など7地区(計約810世帯)にも拡大。同町内の約58%の世帯にハンカチが配られるまでになった。
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