【ケネディ宇宙センター(米フロリダ州)=勝田敏彦】米航空宇宙局(NASA)は米東部時間5月31日午後5時2分(日本時間1日午前6時2分)、星出彰彦飛行士(39)ら7人を乗せたスペースシャトル・ディスカバリーを打ち上げた。日本の有人宇宙施設「きぼう」の船内実験室を国際宇宙ステーション(ISS)に運ぶ。
報道陣らに手を振る星出彰彦飛行士=31日午後1時12分、米国フロリダ州のケネディ宇宙センター、鬼室黎撮影
星出彰彦さんらを乗せ、打ち上げられたスペースシャトル・ディスカバリー=31日午後5時2分、米国フロリダ州のケネディ宇宙センター、鬼室黎撮影
打ち上げられたディスカバリー=31日、鬼室黎撮影
打ち上げられたディスカバリー=31日、鬼室黎撮影
ディスカバリーは40分ほどで予定の軌道に入り、打ち上げは成功した。星出さんは今回が初めての宇宙。日本人のシャトル飛行は、3月にエンデバーに乗った土井隆雄さん(53)から2回連続だ。
星出さんらはいったん就寝し、米東部時間1日午前7時すぎに起床。機体を覆う耐熱タイル点検の準備に入る。
ディスカバリーは飛行3日目にISSにドッキングし、同4日目以降に船内実験室を設置して起動する。さらに、土井さんらが3月に仮設置した船内保管室を本設置するほか、「きぼう」のロボットアームも展開する。
船内保管室は物置のようなものだが、今回の船内実験室は「宇宙実験」のための複雑な機能を備える。いわば「きぼう」の中枢部で、3回にわたる設置作業の2回目にあたる今回が最大のヤマ場だ。
地上では筑波宇宙センターの管制室(茨城県つくば市)が本格稼働する。船内実験室内の状態を示す信号が電波で管制室に届き、逆に管制室からは船内実験室へ命令を送ることが可能になる。上空と地上の作業が順調に進めば、8月に生命科学や材料科学など本格的な「宇宙実験」を始める環境が整う。
一方、ISSのトイレが故障したため、NASAは急きょ交換部品をディスカバリーに載せており、修理を試みることにしている。また、太陽を完全に追尾するのが難しくなったISSの太陽電池パネルに関連する作業もあり、乗組員にとって忙しい14日あまりの飛行となる。
ディスカバリーは米東部時間14日昼前(日本時間15日未明)に帰還する。
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