【ソウル=箱田哲也】韓国政府が米国産牛肉の輸入制限の撤廃を発表したことを受けた大規模な抗議集会が5月31日、ソウル市庁前で開かれた。主催者は、参加者が10万人を超えたとしている。警察発表では3万8千人。牛肉問題に端を発した一連の集会としては最大規模となった。
87年の民主化宣言を引き出すきっかけとなった「6・10抗争」の記念日が近いことから、市内各地で関連の集会が行われており、これらの集会参加者たちも市庁前に合流した。抗議集会は釜山や大邱など他の都市でも開かれた。
政府は5月29日に撤廃を発表。6月3日ごろ官報に記載されれば、釜山の倉庫に冷凍保管中の米国産牛肉が流通し始める可能性があり、労組などは保管倉庫からの搬出を防ぐ構えをみせている。
2月に就任した李明博大統領はまもなく政権発足から100日を迎えるが、野党側は内閣総辞職を求めており、与党ハンナラ党の有力者らも、局面打開には閣僚を含めた人事刷新が避けられないと主張し始めている。
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