奈良県明日香村の高松塚古墳(特別史跡、7世紀末〜8世紀初め)の国宝壁画の一般公開(事前申込制)が31日、村内の修理施設で始まった。1972年の発見後、壁画が一般を対象に公開されるのは初めて。6月8日までの期間中、計4873人が念願の対面を果たす。
高松塚古墳壁画の一般公開で修理施設に入る人たち=31日午前、奈良県明日香村、小玉重隆撮影
一般公開された高松塚古墳の壁画=31日午前、奈良県明日香村、代表撮影
主催の文化庁が1日あたり約500人を先着順で募集したところ、最終的に全国から約1万3千通の応募が寄せられた。見学者は事前に時間が指定され、この日は午前9時前から十数人ずつが順番に施設内に入った。計16枚の石材が上向きに置かれ、「飛鳥美人」と呼ばれる女子群像や白虎、玄武などが描かれた壁画をガラス越しに約10分間ずつ見学した。
同古墳では01年以降、石室内の各所でカビが発生。極彩色壁画が劣化し、修理のため昨年4〜8月に石室ごと解体され、修理が続いている。同庁は「今後も年1回は公開を続けたい」としている。(渡義人)
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