【シンガポール=山田明宏】石破防衛相は31日、シンガポール市内のホテルで開かれたアジア安全保障会議(英国際戦略研究所〈IISS〉主催、朝日新聞社など後援)で講演し、自衛隊海外派遣のための恒久法(一般法)の必要性を改めて強調した。
石破氏は「インド洋での補給支援活動は来年1月、イラクでの空輸活動は来年7月に期限を迎える。(特別措置法で)一つ一つ法律を作る方法が正しいのか」と述べた。
そのうえで「一般法は、国連の要請を必要条件とすべきか、人道復興支援や後方支援だけでよいのか、武器使用基準、議会の関与を真剣に議論すべきだ」と論点を列挙し、国内での議論が活発化することへの期待を示した。
演説後、会場の参加者から四川大地震への支援策について聞かれた石破氏は「中国の文化や伝統、国民感情に理解と敬意を示さないといけない」と、自衛隊機派遣を見送った背景を説明した。
同席していた中国人民解放軍の馬暁天副総参謀長は「民間機で輸送すると聞いている。中国の歴史と伝統を理解してくれたことに感謝している」と応じた。
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