大阪府の橋下徹知事は30日、改革プロジェクトチーム(PT)が廃止方針を打ち出していた府立8施設のうち、国際児童文学館など5施設を廃止する方針を決めた。大相撲春場所が開催される府立体育会館など3施設は存続させるが、運営費削減などの改善措置をとるよう担当部局に指示した。
廃止するのは国際児童文学館(吹田市)、青少年会館(大阪市中央区)、現代美術センター(同)、文化情報センター(同)、総合青少年野外活動センター(能勢町)。
文学館は来年度に廃止し、中央図書館(東大阪市)の書庫を改修して70万冊の蔵書を移して機能を集約する。橋下知事は運営する財団法人についても「一度廃止し、必要とする声が上がれば再構築してもいい」としている。
PT案の廃止方針を撤回して存続させるのは、体育会館(大阪市浪速区)、弥生文化博物館(和泉市)、臨海スポーツセンター(高石市)。
いずれも運営改善を指示し、体育会館はプロのスポーツ大会やコンサートなどの興行収入を増やし、府への年間8千万円の納付金を1億3千万円に増額することを求めた。また、臨海スポーツセンターは大規模改修が必要になる14年度まで存続させ、運営が改善されていなければ廃止し、弥生文化博物館も運営費20%削減などの経営努力をすることが条件だ。
PTが移転方針を示していた上方演芸資料館(ワッハ上方、大阪市中央区)は、建物を所有する吉本興業の賃料引き下げなどの条件提示を待って最終判断する。
一方、橋下知事は同日、高齢者や乳幼児、一人親家庭を対象にした医療費助成の削減時期について、PT案の11月から、来年4月に延期することを明らかにした。現在は1医療機関で患者の自己負担は月千円までだが、月額2500円の上限を維持しつつ、一割負担に変更になる。(小河雅臣、斎藤利江子)