横浜で開催された第4回アフリカ開発会議(TICAD)が30日、閉幕した。アフリカ側は、途上国援助(ODA)の倍増など日本の支援を歓迎する一方、確実な実現を強く求めた。今回の会議の成否は、初めて設置される検証の枠組みが機能するかにも左右される。
「次回TICADでは、5年間にどんなことをしたのか成績表を示さなくてはならないだろう」
TICADを日本政府と共催する世界銀行のエゼクウェシリ副総裁は閉幕後の共同記者会見でこう述べた。「成績表」とは、支援の実施状況を検証する枠組み「フォローアップメカニズム」だ。
検証の仕組みは、前回03年会議でアフリカ諸国から強い要望があり、今回実現にこぎ着けた。日本外務省に事務局を設置。年1回、日本とアフリカ各国の閣僚らの会合を開くほか、事務レベルでも「監視合同委員会」を開いて実施状況を報告書にまとめる。
アフリカ連合(AU)議長のキクウェテ・タンザニア大統領は共同会見で「今後の最大の課題は支援をいかに実施に移せるか。毎年実施状況を確認できるのは心強い」と期待した。
日本の非政府組織(NGO)関係者からは、TICADのあり方を見直すべきだとの指摘も上がる。「日本の援助政策を披露するだけのTICADは卒業するとき。次回は、表明した支援がどれだけ実行され、実行されなかったのかを真剣に話し合う場にするべきだ」(船田クラーセンさやか東京外大准教授)との意見だ。
福田首相は会見で次回TICADの開催について触れなかった。外務省幹部は「5年に1度の開催は既定路線」と話すが、「日本が求める自助努力の精神がアフリカに根付いて独り立ちし、TICADが必要なくなることが最も望ましい」(別の外務省幹部)との声もある。。(玉川透)
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