2008年05月30日(金) 13時30分
日本の飲食ビジネスの隠れた実力(R25)
相次ぐ海外進出のニュースは、ちょっと意外だった。ほんの少し挙げるだけでも、外食チェーンのロイヤルホールディングスはフランス・パリに天麩羅専門店。ラーメン専門チェーンの博多一風堂はアメリカ・ニューヨークに一号店。回転寿司チェーン、元気寿司は中東・クウェートでフランチャイズ契約…。
飲食ビジネスといえば、ドメスティックなビジネスの典型例だと思っていた人も多いかもしれない。海外からファストフードチェーンやコーヒーチェーンが上陸はするものの、日本から海外に出て行くというのは、あまりピンと来ないという人も少なくないのでは。
そもそも、実はかなり以前から、日本料理そのものは海外で高い評価を受けていた。だが海外旅行などで日本料理を食べて、それが本当に日本料理と呼べるものと言っていいのか、疑問に思った人も少なくないかもしれない。
実際、日本料理といいながら、たとえばアメリカでは、経営者の多くはアジア系移民だったり、そもそも日系人がオーナーの店は10%以下であったり、さらには外国人の嗜好に合わせたフュージョン型であったりと、日本人が日本で味わっている日本料理が必ずしも提供されていない現実があった。
だが今や、日本の料理は外国人の日本への興味の重要な対象。つい数カ月前、日本にやってくる外国人観光客をアテンドする企業を取材したのだが、日本料理について、かなりの知識を持っている外国人も今や少なくないのだというのだ。
ロシアでは昨年、日本人の讃岐うどんの店が、レストランコンテストで銀賞を受賞したという。日本の食が世界に通用すると考えれば、これはとんでもない可能性だろう。なんたってマーケットは巨大。しかも、世界の食通をうならせるメニューが日本には数多くある。人口減少、国内市場は成熟している日本だが、飲食ビジネスも視点を変えれば、まだまだポテンシャルは大きい。要注目、なのだ。
(R25編集部)
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※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです
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