2008年05月30日(金) 18時20分
名前も身元も一切黙秘…万引男に懲役3年求刑(産経新聞)
コーヒー牛乳などを万引したとして常習累犯窃盗の罪に問われた氏名不詳の男の初公判が30日、千葉地裁(石田寿一裁判官)で開かれた。男は逮捕後、身元について一貫して黙秘したため「行徳署留置番号57番」とされた。この日の公判では罪を認めたが、「(裁判は)茶番劇で無駄な時間。こんな悪い奴は早く刑務所に入れたらいい」と述べるなど、法の裁きを軽んじる姿勢に終始。検察側は懲役3年を求刑し即日結審したが、男は「3年は短いですね」と言い放った。
起訴状によると、男は4月8日、千葉県船橋市本町のスーパーであんパンやコーヒー牛乳など5点(526円相当)を万引した。平成13年以降、窃盗などの罪で東京、山口、横浜、宮城の各地裁に計4回、氏名不詳のまま起訴され、有罪判決を受けた。
男は見たところ60代くらい。髪とあごひげに白い物がまじり、茶色いフレームの眼鏡をかけ、グレーのトレーナー、黒のスエット姿で出廷した。
「名前は言えませんか」
「はい」
「名前、住所、職業、これらについては黙秘権がありませんが」
「不利になっても言いません」
人定質問に一切答えず、裁判官は起訴状に添付された写真と本人に相違がないかを確認をさせた上で審理を開始。
男は罪状認否で「そうですね。その通りだと思います」と、あっさり起訴事実を認めたが、被告人質問では駄々っ子のように振る舞った。
弁護人「名前なども答えたくない?」
男「答える気はほとんどない」
弁護人「どんな質問なら答えますか」
男「聞かれてみないと分かりませんね」
検察官「万引をやめようと思ったことは」
男「ありません」
検察官「黙秘を貫く強い意志があるあなたなら(万引を)やめようと思えばやめられるのでは」
男「さあ、どうでしょうか」
男は淡々とした口調だが投げやりな姿勢は終始一貫し、検察官に「無駄な質問は省いてください。まどろっこしい」、「私は出たらまたやります。答える気はありません」と語気を強める場面も。
論告求刑では検察官をにらみつけ、裁判官に「最後に言いたいことは」と問われると、「3年は短いですね。それだけです」と、にべもなく言い放ち、被告人席に戻った。
判決は6月6日午前9時45分から言い渡される。
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