ジャスダック上場のシステム開発会社「アクセス」(大阪市中央区)が決算を粉飾した事件で、証券取引法(現・金融商品取引法)違反の疑いで逮捕された元社長の村上次男容疑者(59)が、韓国の会社を使った不透明な資金の還流で少なくとも3億4千万円を着服した疑いがあることが神戸地検特別刑事部の調べでわかった。同社はペーパー会社といえる休眠状態で、地検は村上容疑者の行為が商法(現・会社法)の特別背任容疑などにあたる可能性があるとみて調べている。
アクセスの社内調査などによると02〜07年、同社は架空の名目で取引先に約20億円を支出。この取引先は、村上容疑者が01年にソウル市に設立したソフト販売会社に対し、架空取引で約17億円を払った。同社はアクセスにリース代名目で約12億円を支払い、還流した資金以外に差額の5億円がソウルの会社に残った形になった。社内調査や地検の調べによると、このうち3億4千万円が村上容疑者に流れた疑いがあるという。
ソウルの会社は設立当初はソフト販売をした形跡があったが、資金還流に使われた時期には業務実態がなくなり、資金を移すためだけに使われていたとみられる。