くびれと凹凸を持つ独特の形状で知られるコカ・コーラの瓶は、立体として商標登録できるのか。知財高裁(飯村敏明裁判長)は29日、米国の「ザ・コカ・コーラ・カンパニー」の請求を認め、登録を認めなかった特許庁の審決を取り消す判決を言い渡した。
立体の商標登録が認められた瓶=日本コカ・コーラ提供
知財高裁によると、審決を取り消して立体の商標登録が認められたのは、米国製の小型懐中電灯「ミニマグライト」以来、2件目。
判決は、コカ・コーラ社が1957年に日本で販売を開始して以来、瓶の形を変えず、ペットボトルなどが登場した後も瓶を意識的に広告に用いてきたことなどを指摘。同社の依頼を受けた民間調査会社が、ラベルがない瓶を示してアンケートしても、6〜8割の人が「コカ・コーラ」と答えたことなどから、「瓶の立体の形だけでも、他の商品と識別する力が極めて強い」と結論づけた。
対象となった瓶は、米国で1916年に販売が開始された。当時、流行していたスカートを模したという逸話があり、近年でも日本で年間約9600万本が販売されているという。
日本法人の「日本コカ・コーラ」は、判決について「世界各国で登録が認められている立体商標を日本でも認めた、当然の結果と考えている」とするコメントを出した。今後もこれまでと同様、瓶の形状を模倣した商品に対しては、販売の差し止めを求めていくとしている。(河原田慎一)
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