2008年05月29日(木) 20時15分
「サンゴ礁」世界の北限 長崎県壱岐島なのか(J-CASTニュース)
日本近海に分布するサンゴ礁。その多くは温暖な沖縄付近で見られ、もっとも北にあるのは鹿児島県・種子島と言われていた。ところが近年、さらに北方の長崎県壱岐島で発見され、新たなサンゴ礁探しが注目を浴びている。
■壱岐のサンゴ礁1400年前から生息
「サンゴ礁」とはサンゴの成分の石灰質が積み重なり、海面近くまで高まってできる地形のことを指す。日本でもっとも北にあるのは、長崎県壱岐島から約20キロのところに位置するサンゴ礁だ。規模は約50メートル×50メートルとかなり大きい。国立環境研究所(茨城県つくば市)の主任研究員・山野博哉氏が地元の人から情報を得て本格的な調査を行った結果、サンゴ礁であると確認した。2001年のことだ。
壱岐のサンゴ礁を形成するのは、茶褐色の「キクメイシ」。付近の海水は最低時で13度。このサンゴの特徴は、そんな低い水温でも育つことだ。山野氏は、「成長速度は遅いが、冷たい海水にも強い」と話している。もちろん、種子島や沖縄に分布するサンゴとは異なる種類だ。
さらに調査の結果、壱岐のサンゴ礁は1400年前から生息していることがわかった。壱岐の西、湯ノ本湾のかなり奥まった場所にあるために目立たず、これまで見つからなかったようだ。
■ダイバーらとサンゴマップを作成
日本でもっとも最北端で確認されているサンゴは、太平洋側では千葉付近、日本海側では佐渡付近にあるが、どちらもサンゴ単体だ。そのため壱岐のサンゴ礁は、日本、また世界でも最北端に位置すると注目を集めている。
世界中でサンゴ礁の普及・啓発活動が行われる「国際サンゴ礁年」の2008年、山野氏は全国のダイバーの力を借りて7月からサンゴ礁の分布地図「サンゴマップ」の作成を企画している。デジカメで写真を撮ってもらい、公式サイトから投稿を受け付ける。集めたデータをもとに、年内にマップを作成する。
サンゴ礁の分布地図は、1990年に環境省が作成したものが最新だ。山野氏は、「新たなサンゴ礁が見つかるかもしれない」と今回の試みに期待している。
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