長崎県佐世保市の市立大久保小学校で04年6月、6年生の女児(当時12)が同級生に殺害された事件で、県佐世保こども・女性・障害者支援センター(旧佐世保児童相談所)は、児童自立支援施設「国立きぬ川学院」(栃木県)に入所している加害少女(15)について、行動の自由が制限できる強制的措置を延長しない方針を固めた。9月にも予定される少年審判を前に、長崎家裁佐世保支部に申請する予定だ。
加害少女の処遇について同支部は04年、児童自立支援施設での保護処分を決定。自傷行為や他害行為に及ぶ可能性もあることから、2年間に最大90日の強制的措置が取れるとした。06年にも2年間で最大50日の強制的措置が可能とする保護処分の延長を決定した。
関係者によると、少女は入所後、特段の問題行動はなく、05年春には個別処遇から集団生活に移行した。これまでに鍵付きの個室に入れられるなどの強制的措置が取られたことはほとんどないとされる。今春には施設内の中学を卒業するなど更生が順調に進んでいることから、同センターは強制的措置の延長は不要と判断したとみられる。
9月の少年審判で強制的措置が解かれた場合、現在入所しているきぬ川学院で集団生活を送りながら更生を続ける可能性が高い。
少女は04年6月1日、大久保小の学習ルームで同級生の女児の首などをカッターナイフで切り、殺害した。
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