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2008年05月28日(水) 06時54分

システム開発会社、粉飾の疑い 28日にも捜索、神戸朝日新聞

 ジャスダック上場のシステム開発会社「アクセス」(大阪市中央区)が粉飾決算で赤字を黒字に見せかけていたとして、神戸地検特別刑事部は証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで28日にも強制捜査に着手する。証券取引等監視委員会も強制調査に乗り出し、地検と合同で関係先を家宅捜索する。

 地検は、元社長の創業者(59)や辞任した前社長(52)が不正に深くかかわっていたとみて、任意同行を求めて事情を聴く方針。

 地検や監視委の調べでは、アクセスは05年3月期の売り上げが16億円、経費を差し引いた損益が11億円の赤字だったのに、売り上げが29億円、黒字が2億円となるように偽った決算内容を有価証券報告書に記した疑いが持たれている。次期に予定していた取引分の13億円を前倒しで計上し、売り上げを膨らませていたという。

 監視委から会計処理の問題点を指摘された同社は弁護士らを交えた調査委員会を設置。4月28日の記者会見で決算に粉飾があったことを明らかにし、社長が辞任した。調査委は、同社が04年3月期まで3期連続で赤字だったことから、金融機関の信用を失って融資が受けられなくなるのを防ぐため、当時社長だった創業者が粉飾を主導したとみている。

 当時の会計担当役員で、辞任した前社長は今月初め、朝日新聞の取材に対して「4期連続の赤字にはできなかった。創業者から黒字にしろと指示されてやったことだ」と話し、粉飾にかかわったことを認めた。

 アクセスは94年設立。資本金77億円。98年に株式を店頭公開し、04年12月にジャスダックへ上場した。金融機関などが使うコンピューターソフトの開発を手がけ、この業界では中堅。従業員は子会社を含めて約250人。

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