大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)の児童殺傷事件で2年生だった長女の麻希さん(当時7)を亡くした会社員酒井肇さん(46)が27日、都道府県の犯罪被害者支援担当課長らを東京都内に集めた内閣府の会議で講演し、遺族の立場から望ましいと思う支援のあり方を語った。
酒井さんは、麻希さんの死を告げられた病院で、大阪府警の女性警察官2人から支援の申し出を受けた。だが、「死んでしまったので何もしてもらうことはない」と思い、いったんは断った。それでも女性警察官らは家族が病院から帰宅するまで付き添ってくれ、洗濯物の取り込みや麻希さんのきょうだいの幼稚園の送迎、インターホンを押す報道陣の排除などを11日間してくれた。
酒井さんは「今振り返れば最も支援の実感を得た時期だった」と話し、「私たちが受けた支援を普遍的なものにしてほしい」と訴えた。また、被害者が事件直後に混乱していてもたどり着ける窓口や、生活の変化や報道対応について支援できる人材の必要性を強調した。